魔恋奇譚~憧れカレと一緒に王国を救うため、魔法使いになりました

「え? あなた剣士じゃないの?」

 なんだか混乱してきた。

「そうよ。私はディヴィナって名前で、弟子としてネフライト様の下で修業をしてたの。彼は自分の境遇を前向きにとらえていて、ハンサムで明るくてステキな魔法使いだった。その彼が三年前、本物のアーマントゥルードって女剣士と森の魔物を退治する旅に出たの。そうして美しい彼女に恋をした。けれど、アーマントゥルードは“身分の低い卑しい魔法使いが”と彼をののしり蔑んだ。ネフライト様は激怒して、彼女にファシネーションの魔法をかけて自分のものにした。けれど、魔法が解けたとき、彼女は軽蔑すべき相手に汚され誇りを傷つけられたと絶望して、自害したの」
「なんてこと……」
「アーマントゥルードが死んだ後、ネフライト様は死体を誰にもわからない場所に埋葬して、村に戻ってきた。けれど、戻ってきた彼は別人だった。あたしの好きなネフライト様じゃなくなっていた。でも、あたしは元のネフライト様に戻ってほしくて、ずっと彼のそばにいて身の回りの世話をしてきた。そうしたらあるとき、“いつも私の世話をしてくれるおまえと一緒にやりたいことを思いついた。世の中をひっくり返してみないか”って言われたわ」