何度も呪文を唱え、スペルを綴るのに、アーマントゥルードさんの動きは止まらない。
「剣士の方は頭が切れるみたいだけど、魔法使いの方は鈍いみたいね」
彼女が剣をすっと私たちの方に向けた。
「え?」
「まだ気づかないの? あんたが風呂に入っている間に、杖を偽物とすり替えたのよ」
「嘘っ」
私は手の中の杖を見つめた。最初から持っていた杖と変わらない、細い木の杖に見える。
「すり替えたって……じゃあ本物は?」
「もう暖炉の中で灰になってるわ」
彼女が甲高い声で笑った。
「杖のない魔法使いなんて、牙のないオオカミと一緒。何も怖くない。何の役にも立たない。本当にどうしようもない存在よね」
私は下唇をギュッと噛んだ。
「セリ、逃げろ」
勇飛くんが小声で言った。私は首を振る。勇飛くんを一人で置いて逃げるなんてできない。
「わからないのか? 今のセリはここにいても危険なんだっ」
言うが早いか勇飛くんは剣を振り上げ、アーマントゥルードさんに斬りかかった。その剣を受け止め、彼女が笑う。
「何の苦労も知らないお坊ちゃん剣士には負けないわっ」
「剣士の方は頭が切れるみたいだけど、魔法使いの方は鈍いみたいね」
彼女が剣をすっと私たちの方に向けた。
「え?」
「まだ気づかないの? あんたが風呂に入っている間に、杖を偽物とすり替えたのよ」
「嘘っ」
私は手の中の杖を見つめた。最初から持っていた杖と変わらない、細い木の杖に見える。
「すり替えたって……じゃあ本物は?」
「もう暖炉の中で灰になってるわ」
彼女が甲高い声で笑った。
「杖のない魔法使いなんて、牙のないオオカミと一緒。何も怖くない。何の役にも立たない。本当にどうしようもない存在よね」
私は下唇をギュッと噛んだ。
「セリ、逃げろ」
勇飛くんが小声で言った。私は首を振る。勇飛くんを一人で置いて逃げるなんてできない。
「わからないのか? 今のセリはここにいても危険なんだっ」
言うが早いか勇飛くんは剣を振り上げ、アーマントゥルードさんに斬りかかった。その剣を受け止め、彼女が笑う。
「何の苦労も知らないお坊ちゃん剣士には負けないわっ」


