息を詰めて見つめていると、彼女は滑るようにベッドから降り、静かに勇飛くんの枕元に近寄った。かと思った次の瞬間には、剣を振り上げていた。
「危ないっ!」
私が跳ね起きたとき、ガシンと鈍い音がして、ベッドで寝ていたはずの勇飛くんが剣でアーマントゥルードさんの剣を受け止めていた。
「眠ってなかったの?」
恐ろしいほど低いアーマントゥルードさんの声。
「ああ。あいにくだったね」
勇飛くんは剣をぐいっと押し返し、アーマントゥルードさんがよろけた隙を突いて、ベッドの上を転がるようにこちら側へ降りた。そして私を背中でかばいながら、彼女に剣を向ける。
「どうしてわかったの?」
アーマントゥルードさんの問いかけに、勇飛くんが答える。
「初めて会ったときのあんたの言葉だ」
「あたし、何かシッポをつかまれるようなことを言ったかしら」
「あんたはこう言ったんだ。“アイネアスの命と引き替えに、やっとのことで盗賊から逃れてね、今村に戻っているところ”だって」
「ええ、言ったわ」
アーマントゥルードさんが剣を構え直した。
「危ないっ!」
私が跳ね起きたとき、ガシンと鈍い音がして、ベッドで寝ていたはずの勇飛くんが剣でアーマントゥルードさんの剣を受け止めていた。
「眠ってなかったの?」
恐ろしいほど低いアーマントゥルードさんの声。
「ああ。あいにくだったね」
勇飛くんは剣をぐいっと押し返し、アーマントゥルードさんがよろけた隙を突いて、ベッドの上を転がるようにこちら側へ降りた。そして私を背中でかばいながら、彼女に剣を向ける。
「どうしてわかったの?」
アーマントゥルードさんの問いかけに、勇飛くんが答える。
「初めて会ったときのあんたの言葉だ」
「あたし、何かシッポをつかまれるようなことを言ったかしら」
「あんたはこう言ったんだ。“アイネアスの命と引き替えに、やっとのことで盗賊から逃れてね、今村に戻っているところ”だって」
「ええ、言ったわ」
アーマントゥルードさんが剣を構え直した。


