魔恋奇譚~憧れカレと一緒に王国を救うため、魔法使いになりました

 アーマントゥルードさんはさっさと浴室に入っていった。肌は剣士とは思えないほど白くて傷やアザ一つなくキレイで、同じ女なのにドキンとしてしまうくらいセクシーだ。

 アーマントゥルードさんが現れてから、勇飛くんもなんだか私にはそっけない。やっぱり男の人は胸の大きな人の方がいいのかなぁ……。

 コンプレックスの胸をタオルで隠しながら浴室に入った。床はモザイクタイルになっていて、天井はアーチ形をしている。白く濁った湯からは湯気が上がっていて、数人の女性たちが腰湯をしたり談笑したりしてくつろいでいる。

 私は汗を流してから、そっと湯に入った。少し熱いけれど、気持ちいい。

「はぁ~」

 ゆっくり息を吐いて手足を伸ばした。のんびりする私を尻目に、アーマントゥルードさんはもう湯から上がってしまう。

「じゃあ、お先に」

 彼女の姿が脱衣室に消えて少ししてから、私も湯から上がった。私のいないうちに勇飛くんに迫られたら困るもんね。

 会ったばかりの人にこんなにも敵意を抱くなんて、私、おかしいのかもしれない。

 でも、女の子なら恋のライバルのことは直感的にわかるもんじゃない?