魔恋奇譚~憧れカレと一緒に王国を救うため、魔法使いになりました

 ほかに部屋が空いていたとしても、私が二人きりにはさせませんよーだ。

 むくれ顔の私を含む三人を、宿屋の主人が一階の奥の部屋に案内してくれた。窓際から三列にベッドが並んでいて、テーブルと椅子が三脚あるだけの部屋だ。

「あたしはここ。ユウヒはあたしの隣よね?」

 アーマントゥルードさんが一番窓に近いベッドに荷物を置き、隣のベッドを示して勇飛くんに言った。

「そうだね、そうしよう」

 ってことは、私は廊下側のベッド……。

 なんで二人は隣同士なのよ、と思ったけど、でも、私の隣も勇飛くんだから、まあ我慢しよう。

「ねえ、夕食前に公衆浴場に行かない?」

 アーマントゥルードさんが私たちを誘った。

「そうだね。旅の疲れを癒やせそうだ」

 勇飛くんの言葉で、私たちは村の公衆浴場に向かった。歴史の教科書で見るような石造りの建物で、男性用浴室と女性用浴室に分かれている。私はアーマントゥルードさんと一緒に女性用浴室に入った。脱衣室で服を脱ぎ、腰紐に挟んでいた魔法の杖は衣服の下に隠した。

「先に行くわよ」