魔恋奇譚~憧れカレと一緒に王国を救うため、魔法使いになりました

「実はうちの妻もあたしの三歳年上でしてね、そりゃ、生活の知恵はもちろん、あっちの知恵も……」

 それ以上聞きたくなくて、私は店を出た。土の道を挟んだ向かい側に道具屋があるので、そっとドアを開けて入ってみた。

「いらっしゃい」

 陰気な顔つきの痩せた店主が私を見た。

「あの、魔法使いの杖は置いてますか?」

 買う予定はないけど、ちょっと好奇心で訊いてみた。

「あんた、なんでそんなことを訊く?」

 警戒されているみたいだ。

「あ、いえ。私、コランダム村から来たんです。この村にも魔法使いはいるのかな、と思って」

 店主はため息をついた。

「カルサイトでは魔法使いが途絶えてもうすぐ一年になるな」
「途絶えて? ってことは、一年前から魔法使いはいないってことですか?」
「そう。たった一人いたネフライトが行方不明になってからな」
「行方不明?」