なんとなく藤堂がきになり、 恐る恐る玄関をあける。 ――――――ガツン 鈍い音が静かな朝に響く…。 「え?」 下を見るとぐったりうなだれた藤堂。 髪からは今朝方まで降っていたであろう雨のしずくがしたたり ワイシャツはぐっしょり。 ほっぺはほんのりあかくそまり 手は冷たいが額は熱い。 春と言っても、まだ温かいとは言えない。