翌日。

詩音は人が行き交う商店街を歩いていた。

商店街には喫茶店が何個もあって、見つけるのが大変だと思ったが、案外あっさり見つかった。

古びた灰色のすすけた壁に昔ながらのレトロな雰囲気をかもし出す外観。

一見みると普通の喫茶店に思うが、ひとつ違うところがある。

それは看板にこう書かれていることだ。

『喫茶店 Toa
マスターがどんなお悩み、依頼でも、なんでも、ご相談承ります。もちろん、依頼料は珈琲を一杯で。』