詩音が口を挟んだ。

家族が嫌いな父が、女遊びの激しい父が、一体何を理由に死んだのか。


「……旦那様は大好きだったんです……。あなたたち家族のことが……!だから、愛子さんをこの家から追い出さなければ、あなたたちが幸せになれないって……。だから自分を犠牲にしてっ……」


嗚咽まじりに訴える瑠花。

だが、詩音はどうしても信じることができなかった。