「親として情けないですね。ていうか、人を傷つけちゃダメって親に言われなかったんですか?」

何気なく言った言葉だったが、叶亜はフッと乾いた笑みを浮かべた。

「……僕の親は5歳の時、交通事故で死んだよ」

「えっ……」

「おかげで幼少期は父と知り合いだった阿部さんの家で育ったんだよ。」

「ご、ごめんなさい。私……」

「気にすることはない。それより、君に頼みたいことがある」

「えっ……?」