私たちのような放浪者にとって、情報は命綱だ。より多くの情報を持っていれば助かる可能性も増える。今までも私たちはこういう社交の場には進んで参加してきた。
ただし、芸人一座『暁の夢』としての参加だったが。
「お前だけを夜会にだすことはできん。これは決定事項だ。」
「私も引くつもりはありません。団長、どうか手合せ願います。私が一本とれたら、舞踏会行きを許してください。私が負けたらこの件は二度と口にしないと誓います。」
手合せという単語にピクっと団長が反応した。私たちは訓練の際は、殺傷能力のない武器で行うが、実戦形式で行う手合せでは、本来の自分の武器で戦う。致命傷となる一撃を加えた方が一本。もちろん寸止めだけど。
「お前はそれでいいのか?一度も俺にかすり傷を与えたこともないのに?」
「…うぅ。でも、そうでもしないと団長は許してくれないから…」
もごもご答える。悔しいけど事実。でもやるしかない…
ふいに団長が口をあけて笑った。
「そこまで言うならその条件のもう。不利でも挑んでくるなんて、ほんとお前の男気は誰に似たんだろうな。」
「あ!ありがとうございます。」
「挑んできたからには準備はできているんだろうな。」
ガシャンと音を立てて、団長は立ち上がる。
重いロングソードと真鍮製の盾をそれぞれ片手に軽々持っている。(ちなみに、私はソードだけでも両腕で持ち上げるのが精いっぱい。)
左腰のレイピアをなでる。いつもどおりの冷たい感触が私の背中を押す。
「はい!!お願いします。」
アレン様のために、絶対勝たなきゃ!!
広場の中心に移動する。私たちの異変に気付いた一座のみんながギャラリーとして集まってくる。
「コインが地面に落ちるのをスタートの合図にする。」
団長はポケットから金貨を取り出す。
私はうなずく。
血がいつもより早く体内を巡っている気がする。二本のレイピアを静かに抜いて私は構えた。
ただし、芸人一座『暁の夢』としての参加だったが。
「お前だけを夜会にだすことはできん。これは決定事項だ。」
「私も引くつもりはありません。団長、どうか手合せ願います。私が一本とれたら、舞踏会行きを許してください。私が負けたらこの件は二度と口にしないと誓います。」
手合せという単語にピクっと団長が反応した。私たちは訓練の際は、殺傷能力のない武器で行うが、実戦形式で行う手合せでは、本来の自分の武器で戦う。致命傷となる一撃を加えた方が一本。もちろん寸止めだけど。
「お前はそれでいいのか?一度も俺にかすり傷を与えたこともないのに?」
「…うぅ。でも、そうでもしないと団長は許してくれないから…」
もごもご答える。悔しいけど事実。でもやるしかない…
ふいに団長が口をあけて笑った。
「そこまで言うならその条件のもう。不利でも挑んでくるなんて、ほんとお前の男気は誰に似たんだろうな。」
「あ!ありがとうございます。」
「挑んできたからには準備はできているんだろうな。」
ガシャンと音を立てて、団長は立ち上がる。
重いロングソードと真鍮製の盾をそれぞれ片手に軽々持っている。(ちなみに、私はソードだけでも両腕で持ち上げるのが精いっぱい。)
左腰のレイピアをなでる。いつもどおりの冷たい感触が私の背中を押す。
「はい!!お願いします。」
アレン様のために、絶対勝たなきゃ!!
広場の中心に移動する。私たちの異変に気付いた一座のみんながギャラリーとして集まってくる。
「コインが地面に落ちるのをスタートの合図にする。」
団長はポケットから金貨を取り出す。
私はうなずく。
血がいつもより早く体内を巡っている気がする。二本のレイピアを静かに抜いて私は構えた。

