ある日のことだった。
僕らはいつものように宮廷の習い事をこなし、いつものように先生にお礼を言い、二人で外の庭園に散歩に出ていた。
「ねえ、レイ?」ジュリエットが夕方の暮れかけの太陽を見つめながら、僕に話しかける。
「どうした?」
「あのね、ちょっとだけ。ちょっとだけいつもの森の広場に行かない?」
ジュリエットは僕を上目遣いで見つめながら、おずおずと切り出した。
僕はゆっくりとため息をついた。
この顔でおねだりをするときは、大体悪いことだって自分で分かっているときだ。もうこれだけ長い間一緒にいれば何を企んでるか、大方見当がつく。
「ジュリエット、もうすぐ日が沈む。今日はおとなしく城に戻ろう?せっかく今日のお歌のけいこたくさん褒められてたんだから、国王陛下に話に行こうよ。」
「ううん、だからね、今日私とても調子がいいの。しかも夕日がとてもきれいだし、森の中で歌えたら、きっととても気持ちがいいと思うの。まだ日暮れには少しだけ時間があるし…」
「だめだよ。」
僕はぴしゃりと断った。
「君はお姫様なんだよ。夕方の森なんて僕は連れていけないよ。」
僕はジュリエットの手をやわらかく握り、すこしだけ屈んで目線を合わせる。
「ジュリエット。一緒に帰ろう?明日なら朝に少しだけ時間を作るから。約束する。」
「ちがうの!」
ジュリエットは急に大きな声を出して、僕の手をぎゅっと握り強く引く。
軽くうつむいた彼女の表情は少し読みにくい。
「ジュリエット…って、え?」
覗き込んだ彼女の顔はなぜか真っ赤に火照っていた。
僕らはいつものように宮廷の習い事をこなし、いつものように先生にお礼を言い、二人で外の庭園に散歩に出ていた。
「ねえ、レイ?」ジュリエットが夕方の暮れかけの太陽を見つめながら、僕に話しかける。
「どうした?」
「あのね、ちょっとだけ。ちょっとだけいつもの森の広場に行かない?」
ジュリエットは僕を上目遣いで見つめながら、おずおずと切り出した。
僕はゆっくりとため息をついた。
この顔でおねだりをするときは、大体悪いことだって自分で分かっているときだ。もうこれだけ長い間一緒にいれば何を企んでるか、大方見当がつく。
「ジュリエット、もうすぐ日が沈む。今日はおとなしく城に戻ろう?せっかく今日のお歌のけいこたくさん褒められてたんだから、国王陛下に話に行こうよ。」
「ううん、だからね、今日私とても調子がいいの。しかも夕日がとてもきれいだし、森の中で歌えたら、きっととても気持ちがいいと思うの。まだ日暮れには少しだけ時間があるし…」
「だめだよ。」
僕はぴしゃりと断った。
「君はお姫様なんだよ。夕方の森なんて僕は連れていけないよ。」
僕はジュリエットの手をやわらかく握り、すこしだけ屈んで目線を合わせる。
「ジュリエット。一緒に帰ろう?明日なら朝に少しだけ時間を作るから。約束する。」
「ちがうの!」
ジュリエットは急に大きな声を出して、僕の手をぎゅっと握り強く引く。
軽くうつむいた彼女の表情は少し読みにくい。
「ジュリエット…って、え?」
覗き込んだ彼女の顔はなぜか真っ赤に火照っていた。

