薔薇の夢をあなたに

サーシャが再び私たちの前に現れたのは、それから二時間以上たったころだった。








「あの!!レイは!!」
「最善は尽くした。毒も体内からすべて抜いた。しかし、今夜が峠になるだろう。」
サーシャは重々しく言った。











「太陽の姫よ、どうか彼についていてやってくれ。」
私はサーシャに促されるままに。病室に入る。












「レイ!!!」月明かりをあびて眠るレイがいた。
サーシャはいつの間にか姿を消していた。











「レイ…?」レイの肩からはすっかりあの毒々しい傷は消えていた。
衣服も清潔なローブに代えられ。今は美しい顔で眠っている。











「レイ…お願い…」私は涙を抑えられなかった。
「嫌…よ…あなたまで失ったら…私…」













出会ったあの日から、あなたの笑顔が好きだった。側にいるだけで幸せだった。







あの笑顔が自分に向けられていると思うと、びっくりするくらいドキドキする…。拒絶されると、胸が張り裂けそうになる。










抱きしめられると、すごく恥ずかしいけど嬉しくて…優しいあなたの手に触れられると、もう何もかもどうでもよくなってしまうの…











ねぇ、ここまで私の感情を動かせるのはレイだけなんだよ?あなたがいない人生なんて、意味がないの…






どうか…神様…




















「ジュリエット。」天使のような声がする。
私は、いつの間にか眠っていたようで、顔を起こす。
朝の光を浴びて、天使のような人がそこにいる…








「ジュリエット…」焦点がようやく合う。
「レイ?」レイはベッドから体を起こし、こちらを見ていた。












「あっ…」私は恐る恐る彼に手を伸ばす。温かい温度を感じる。
「レイ…、レイなの…ね?」
「もう大丈夫だよ?心配かけたね。」










「レイ!!!!」私はレイに飛びついた。
「わ!ジュリエット危ないよ!」私はレイの首筋に顔をうずめる。








「よかった…よかった…あぁ…」涙が止まらない…







愛しい体温が戻ってきていた、レイが、生きてる!!
「ジュリエット、君をまた抱きしめられるなんて…」
レイが強く抱いてくれる。













手で髪をかきあげられ、至近距離で視線が合う。
「もう、泣かないで…僕はここにいるよ…」










まぶたに優しく口づけられ、涙をなめとられる。
「レ…イ!」
「君と生きていられるなんて…僕は…僕は…」










レイは髪に、まぶたに、耳に、そして首筋にキスの雨を降らせていく。
「ふぁ…あッ…」
くすぐったくて、体の奥がかっと熱くなる。「





レイ…んっ…」
「ジュリエット…僕は…僕は…」
唇を優しく親指でなぞられる。


私は目を閉じて、レイにすべてを任せようとした…