勝手に古今和歌集

「俺、なんで夏木さんの夢なんか見たんだろうって、すごく不思議に思ったんだけど。


先生の話きいて、納得しちゃった~」






――――きもい!!




きもいきもいきもい!!






失礼だとは自覚してるけど、でもやっぱりキモいーーーっ!!






あたしはがばっと立ち上がり、「不思議なこともあるもんだね~」と適当な相づちを投げかけ、教室から飛び出した。






「わっ、どうしたの莉緒!」






ドアから出たところで渚にぶつかりかけて、あたしは足を止めた。






「………なぎさぁあ~~っ!!」






あたしは勢いのまま渚に泣きついた。