勝手に古今和歌集

ぽかんとして見ているうちに、犬飼くんはなぜか、ふらふらと校門の外を通り抜けていく。







「―――先生、ちょっと出かけてきます!」







我ながら間抜けな一言を残し、あたしはみんなの視線を一身に集めながら、教室の後ろを横切って廊下に飛び出した。




そのままの勢いで、あたしは校舎も飛び出した。





グランドを全速力で駆け抜け、校門を通り抜けて外に出る。





学校の前の大きな幹線道路。




車がびゅんびゅんと通り過ぎていく。






犬飼くんは………?





まさか、車に――――






「んみゃあ」