チャイムが鳴ると同時に


「お前ら席つけー。」


やる気のなさ気なすばるさんが教室に入ってきた。


それと同時に全員席に着き静かになる。


ーーーー

「んじゃ終わりな。
柚葉は職員室来ることなー。」


挨拶もそこそこに5分で終わるホームルーム。


隣の柚葉からは舌打ちが聞こえる。


「じゃあ私行ってくるから。」


終わってから、嫌そうに教室を出て行った柚葉。


「ねぇねぇ、すばるさんと柚ちゃんって知り合いなのかな?」


「戒さんの妹だし、知り合いなんじゃない?」


「あぁー、そっか!」


まぁ、知り合いでも可笑しくはねぇけど呼び捨てなのが気に入らねぇ。


「屋上いこ!」


柚葉が戻って来たからか、いつもより元気な薫の声はデカイ。


「わかったから、普通に喋れ。」


「優、何言ってるのさ!
これが普通の大きさでしょ!」


「普通じゃないから。煩い。」


「むぅー。優の意地悪」


拗ねながらも、優を連れて先に屋上に向かう薫。


「玲央、俺からも話があるから屋上に行くよ」


「あぁ。」


嫌な話だとわかる。


恭介の顔が険しかったから。


同じクラスの流星の下っ端に、
柚葉が戻って来たら屋上に来るよう
伝言を伝え、屋上に行く。



古く錆びた重いドアを開ければ、何処までも続く青い空。


「恭介、話せ。」


「あぁ、それがさ。
柚葉ちゃんを狙ってる族があるらしくてね。」


「…………」


バカな連中だ。


そんな事をしたら、ただで済むわけがないのに。


「どこの族だ。」


「闇魔とか言う卑怯な所らしい」


「ブッ……だっさ!」


ネーミングセンスがないと、お腹を抱えて笑いだした薫を睨めば静かになる。


闇魔ねぇ……聞いたことねぇな。


「最近卑怯な事して登ってきたらしいけど、所詮クズだからねぇ。」


曲がった事が嫌いな恭介は、目を鋭く光らせる。


そして恭介も薫も優も、どこか楽しそうな表情を見せる。


久々の喧嘩だ。


楽しみで仕方ないらしい。