そして、

玲央が大切で、そんな玲央と作り上げた場所を大切にしている玲央の仲間に言われた言葉。



ー「君は要らない。」

ー「邪魔なんだ」



まさに恭介の言う通り。


言ってることが余りにも合ってるから
思わず笑いが込み上げてきた。


そうだよ。私は要らない子。


人殺しで、要らなくて、嘘つきで。



でもね?

分かっていた筈なのに、実際言われると辛かった。

苦しかった。


頭では、お母さんが死んだ時の光景がフラッシュバックして


お母さんにも恭介にも、要らないって言われて


恭介が伸ばした手が、あの男に見えて


怖かったんだ。


必死でお兄ちゃんに助けを求めて、


ー「柚葉っ!」


初めて聞いた焦った玲央の声を聞いて

優しい香りに包まれた時、安心した。



安心して、私は意識を手放したの。



暗闇の中で聞こえるのは


「……葉……柚葉……」


大好きな優しいお兄ちゃんの声。


ゆっくり重い瞼を開けると、容赦なく目に染みる光。


「んっ……」


「柚葉!良かった……」


目を開ければ、ホッとした様子のお兄ちゃんが視界一杯。


「おに……ちゃ…?」


「良かった……良かった柚葉。」


上半身を上げると、お兄ちゃんに抱き締められる。


「ゴメンね……」


ん?ここ、私の部屋だ。


確か、私って倉庫に居たはずじゃ……


「お前、倒れただろ。
俺が運んだんだよ。」


「そっか……」


なんかごめん。


「今、水持ってくるから待ってろ」


「ん…」


部屋を出て行ったお兄ちゃん。


不意に、玲央に会いたいと思った。


何故か分からないけど、会いたいと思った。