「まず一つ、柚葉ちゃんは玲央の彼女なの?」
「そうだよ。」
そう答えると、怪しげな顔をする恭介。
「玲央は女嫌いなんじゃないの?」
そう。玲央は女嫌い。理由は知らないけどね。
お互いの事に口出し、鑑賞はしないから。
「柚葉は特別だ。」
好きな人にこんな事言われたら胸キュンとかしちゃうよね。
私はしないけど。
「いつから付き合ってるの?」
「中学2年からだよ。」
私と玲央は中学3年間ずっと同じクラス。
「最後。柚葉ちゃんが噂の転校生?」
「噂?」
何それ。
「今日、すごい美少女が転校してくるって噂が流れてるんだよね。」
「美少女じゃないけど、転校生は私一人だよ」
美少女とか意味わかんない。
みんな目腐ってるんじゃないの?
「質問は終わりだ恭介。」
私を屋上から出そうと、切り上げる玲央に恭介は
「柚葉ちゃん。流星って知ってるよね」
知っていて当たり前。
そんな言い方で聞いてきた。
「知らないよ?なにそれ」
「玲央のブランド目当てじゃないの?」
「玲央ってブランド作ってるの?」
「「ぷっ……」」
素朴な質問に、肩を震わせて笑う薫と優。失礼な。
「恭介やめろ。柚葉は何も知らないし何も話していない。」
意味の分からない話をしている二人。
本当、帰っていい?


