次の日の朝、お兄ちゃんが迎えに来て退院した私は
何気に初めて行くお兄ちゃんのマンションに向かっている。
家を出て行ってから、お兄ちゃんには会っていたけど全部家に戻ってきただけだから
私はお兄ちゃんの家に行ったことがなかった。
「さっ、柚葉。今日から此処がお前の家だ。」
笑顔でお兄ちゃんが連れてきてくれたマンションは、20階建ての新しいマンション。
その15階の一室が、今日から私たちの家となる。
「お兄ちゃん、これからもよろしくお願いします。」
家の中を案内してもらった後、私はお兄ちゃんに頭を下げる。
「頭上げろ。こちらこそよろしくな?」
「うんっ!」
そう言ってお兄ちゃんに抱き着いた。
「うおっ!危ねえだろ。」
いきなりの事にバランスを崩して後ろに倒れかけたお兄ちゃんは、私を抱き留めたまま体制を整える。
「へへっ。」
友達には、風邪を拗らせて肺炎になって入院してた
と言うことにした。
お母さんが死んだ事は、友達にはナイショ。
説明するのも面倒くさいし。
教師に亡くなった事だけを伝えた。
すごい心配されたけど、あしらっといた。
心の篭ってない、同情された言葉なんて要らないから。
こうして私とお兄ちゃんの2人暮らしが始まった。


