好きの大きさ【番外編更新中】


そう言って病室を出て行った警察の人。


「ぁ……ゃだ…」


「柚葉……」


辛そうに顔を歪めるお兄ちゃん。


お兄ちゃんが辛そうにするのも、お母さんが死んだのも


全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部


ワタシノセイダ


「今、医者呼ぶから。」


「…………」


ちょっとすると、バタバタと入ってくる白衣を着た男の人と、ナース服の女の人。


「新藤さん!目が覚めたんですね。
今から検査します。」


白衣を着た男の人が、聴診器を持って私に手を伸ばす。


「ヤダ!」


パシっ、私は怖くて無意識に手を振り払った。


「ぁ…違……ごめ…なさい……」


悲しそうな、難しそうな、よく分からない顔をする白衣を着た男の人。


「河野さん、僕の代わりに検査をお願いする。」


「わかりました。」


白衣を着た男の人は、後ろに下がって
河野さんと呼ばれたナース服の女の人に任せる。


女の人は不思議と怖くなくて、大人しく検査を受ける。


「異常はありません。」


身体検査みたいなのをして、終わると
また白衣を着た男の人が話しかける。


「新藤さん。」


「………」


呼びかけを無視する私。


「柚葉?」


「や……」


私はお兄ちゃんの服の裾を強く握る。


「お兄さん、少し宜しいですか?」


「はい。」


「置いてかないで……一人にしないでよ……お兄ちゃん。」


白衣を着た男の人の後ろを着いて、病室を出て行こうとするお兄ちゃんを呼び止める。


「すぐ帰ってくるから。良い子で待ってろ。」


「う……ん。」


私の頭をポンポンすると、出て行ったお兄ちゃん。


ナース服の女の人も出て行っちゃって、
真っ白な部屋に一人ぼっち。


ベッドの上で体操座りして、耳を塞ぐ。


耳を塞いでも、頭に響くあの男の声。


ー「綺麗だよ。柚葉ちゃん。」

ー「なんて美しいんだ。」

ー「君は俺のだ。」

ー「誰にも渡さない。」

ー「柚葉……柚葉……」



そして私を憎悪の篭った目で見るお母さん。


ー「あんたなんか産まなければ良かった !」

ー「要らないのよ!」

ー「消えてよ!」



「…………」


何を間違ったんだろう?


何がいけなかったの?


私は何をすれば良かったの?