それから毎日、私は夜になるとあの男に犯された。
行為が終わると
「誰にも言うなよ」
お決まりのセリフを吐いて出て行く男。
そして私は汚れた身体を流すべく、シャワーを浴びる。
こんな事を2ヶ月。
私は日に日に感情が無くなっていった。
そして感情が無くなる度に、作り笑いが上達する。
誰にも悟られないように、笑顔と言う仮面を着けて。
私の変化に気づかない友達。
まぁ、所詮その程度。
むしろ、この先、一生、誰も気づかなくていい。
それでも、まだ正常だった私はたまに本当に笑える時があった。
それはお兄ちゃんの前。
たまに遊びに来てくれるお兄ちゃんの前では、笑えた。
大好きなお兄ちゃんの前では、偽物でいたくなかった。
お兄ちゃんと会えるのは嬉しいけど、その後が怖いんだ。
お兄ちゃんと会った日の衛さんは夜、狂っている。
「柚葉は俺のだ。あんなガキなんかに渡さない。俺の完璧な作品……」
必ずそう言うんだ。
辛いのも、苦しいのも、悲しいのも、
全部全部全部、シャワーで流した。
だんだんと壊れていく私を、誰も知らない。
……いや。知るはずがない。
だって私の笑顔は既に完璧だから。
誰も、気づく筈がない。
お兄ちゃんは知らなくていい。
友達も知らなくていい。
汚い、汚れた私を、誰も知らなくていい。


