許せるって何様だよ。


ガラガラ

ちょうどその時、教室のドアが開いた。


「「キャーーー!」」


……何が起きてんの?


女子がいきなり奇声を上げ始めてるし
男子は全員ドアに向かって頭を下げ始めた。


気になってドアの方に目を向けると


「玲央。」


私の彼氏と、後ろに3人の男がいた。


「柚葉。おいで。」


玲央が優しい声で私を呼ぶ。


「「キャーーー!カッコいい!」」


女子黙れ。鼓膜破ける。


玲央の前に行くと抱きしめられる。


「制服似合ってる。可愛いよ。」


「ありがと」


彼氏に抱き締められても、甘い言葉を囁かれてもドキッなんてしない。

至って平常。


「ヤバイ!美男美女すぎる!」

「お似合い!」


黄色い歓声を浴びながら、私は玲央に抱き締められたまま。


「誰?」

「なにこの子!美人!てか、玲央気持ち悪!」

「玲央って彼女いたっけ?」


シーン……


玲央の後ろを歩いていた男子3人が言葉を発した事によって、静まり返る教室。


お前らこそ誰だよ。


玲央の方を見ると、


「屋上に行くぞ。」


私以外に見せるいつもの顔に戻っていた。

何故かいつも、私にだけ笑いかけてくれる玲央。

それ以外はずっと無表情。


手を引っ張られながら、屋上に行く。


「柚葉と同じクラスでよかった。」


「私も玲央と同じクラスで良かった。」


ボソ「その方が動きやすいし」

ボソ「そうだね。」


2人にしか聞こえない声で喋る。