「………」
「俺の前で無理して笑うなよ。」
お前が無理してると、俺は胸が苦しくなるんだよ。
「天野くんはさ、女嫌いでしょ?」
「……あぁ。」
話を逸らした新藤。
俺は女嫌いだが、それを全面的に出してない。
隠してる訳じゃないけど、気付いてる奴なんて居ないと思ってた。
「私、女だよ?」
「お前は、他の女とは違う。」
俺の中でお前は特別なんだ。
出逢った瞬間から。
「なんで無理してるって思うの?」
「時々、すげー冷たい表情してる。」
「……天野くんって凄いね。
それに気づいた人、初めてだよ」
今まで見てきた笑顔とは、明らかに違う柔らかく微笑んだ新藤。
「っ……」
やべぇ、可愛すぎる。
「天野くん。特別だよ?」
そう言って、無表情になった新藤。
特別って言葉が俺の胸に響いた。
「俺の前ではそうしてろ。」
「うん。そうする。」
話し方も、淡々として冷たい。
これが本当のこいつ……
「新藤、俺お前のこと好きだ。」
気付いたら、そう言っていた。
「無理。私男嫌いだから。」
「はっ?」
いや、振られるのは目に見えていた。
俺が驚いたのはそこじゃない。
「男嫌い?」
「そう。男なんて死ねばいいと思う。
天野くんは別だけど。」
「………」
だから、あいつは今までの告白を全部振ってきたのか。
予想外のカミングアウト。
でもそこで引き下がるような俺じゃない。
「俺と付き合って。」
「無理。」
即答する新藤。
そして俺は、ある考えが頭をよぎった。


