「「「「はっ?」」」」
俺と薫と優、さらには玲央までが声を揃えてマヌケな声を出した。
柚葉ちゃんが、夏美さんの言ってた患者?
ー「完璧であろうと自分を偽ってるの」
ー「完璧でなくちゃダメなんだって」
それじゃ、どう言う意味なんだ…?
「ねぇ玲央。
どうしてこの子がこんな所にいるの」
真剣な顔で聞く夏美さん。
「それは柚葉ちゃんが……」
「薫は黙って」
「はい……」
薫が、姫だから、と答えようとしたのを遮る夏美さん。
「姫だからだ」
玲央の答えに、シワを寄せる夏美さん。
「ふざけるんじゃないわよ!
あんたこの子が男嫌いなの知ってるでしょ!」
「あぁ……」
玲央の胸ぐらを掴み、怒鳴る夏美さん。
柚葉ちゃんが男嫌い……?
同じことを思ったのか、薫と優も驚いている。
そんな素振り見せたことなかった。
「女嫌いのあんたが、毎日女しか居ない倉庫に連れてこられたらどう思うのよ!?」
「……耐えられない」
「それと同じよ!この子は絶対に弱音なんて吐かないの!
気付いてあげられるのは、この子の隣に居るあんたしか居ないのよ!」
「……これも"契約" なんだよ。」
苦しそうに、悔しそうに顔を歪める玲央。
契約ってなんだ……?
彼女は、何を隠して何を抱えているんだ…?
「いい。全員よく聞きなさい。
この子は、あんた達みたいに女が嫌いだから近づかない。
それだけで済むような軽いもんじゃないのよ。
何があったかは後で聞くけど、一歩間違えばこの子は死のうとするの。
自分を責めて、もがいて、苦しんで、
それから死のうとするの。
"また" 壊れてしまったら、もう戻すことは出来ないの。
よく覚えておきなさい。」
「「「はい……」」」
「………」
総長室に、重い沈黙が流れる。


