「………」
「柚葉!?」
玲央が抱きしめたのと同時に、気を失った柚葉ちゃん。
「柚葉……」
大切な物を扱うように、柚葉ちゃんをお姫様抱っこして総長室に運ぶ玲央。
俺はその間、呆然と立ち尽くしていた。
柚葉ちゃんを運び終え、幹部室に帰ってきた玲央は今までで一番怒っていた。
……当たり前か。
ガチャ
「たっだいまー!」
「疲れたー」
本当にタイミング良く帰ってきた薫と優。
「あれ?柚葉ちゃんは?」
柚葉ちゃんが居ないことに気づいた薫。
「説明しろ恭介。」
それを無視して、俺を睨む玲央。
柚葉ちゃんを大切にしているんだって分かる。
「何があったんだよ」
ただならぬ雰囲気に気づいた優。
「なぁ玲央。一つ聞いていいか?」
「あぁ。」
ソファに座ってから、俺は玲央に聞く。
「柚葉ちゃんは本当に彼女?」
「どういう意味だ」
眉間に皺を寄せる玲央。
「そのまんまだよ。彼女さ、玲央のこと好きじゃないよね」
「柚葉は俺の事を好きだ。」
そして自嘲気味に笑う玲央。
その反応の意味がわからない。
「質問には答えた。何があったのか説明しろ」
すぐに無表情に戻った玲央は、有無を言わせない口調。
だから俺は包み隠さず、さっきあったことを話した。
話すたびに眉間の皺が深くなる玲央。
「ーーーってこと。」
「てめぇは言っていい事と悪いことの区別もつけねぇのか」
今まで聞いた中で一番低い、ドスを効かせた声の玲央。


