でもすぐにいつも通りに戻って


「知ってるよ」


「玲央がそこの総長なんだって。」


「あぁ。知ってるよ」


キッチンからコーヒーの良い香り。


「玲央の彼女だから姫になっちゃった」


「あ"ぁ?」


ドスを効かせた声に変わるお兄ちゃん。


「流星の姫になった?」


「そうだよ」


本当に迷惑な話。


「いつかはなると思ってたけど……」


ボソっと何かを喋るお兄ちゃん。


「えっ?」


「なんでもない。それで?大丈夫だったか?」


「面倒くさいし迷惑だけど、これも "契約" の一つだから。」


もうしょうがないと割り切った。


「そうか……なにかあったらすぐに俺に言え。
そいつすぐにぶっ殺すから。

はいコーヒー。」


「ありがと。何かあったら言うね。」


「あぁ。」


お兄ちゃんから貰ったコーヒーはいつも美味しい。


「おいし。」


「良かった。」


私の頭を優しい顔で撫でるお兄ちゃん。


お兄ちゃんに撫でられると、自然と落ち着く。


「ふふっ。」


「なに笑ってるんだよ」


「お兄ちゃん大好き!」


「俺も柚葉のこと好きだよ。」


なんてお兄ちゃんとラブラブ……


あ、別に禁断の愛とかじゃないから。


これお兄ちゃんと毎日する会話。