倉庫に来るときと同じ車に乗る。

運転手はもちろんゴウさん。


「よろしくお願いします」


「ういっす!何処までですか?」


「柚葉ん家。説明するから出せ。」


「わかりましたっす!」


私の家に行ったことある玲央は、完璧に私の家を覚えている。


お兄ちゃんも、私たちの関係を知っている。


「ここだ。」


倉庫から、私の住んでいるマンションまで、意外と近かった。


「ゴウさんありがとうございました。」


「そんな!お礼なんていらないっす!」


「柚葉、また明日。」


「また明日。玲央」


お別れをしてからドアを閉め、マンションに入った。


エレベーターで15階のボタンを押す。


20階まである中の15階に私とお兄ちゃんは住んでいる。


「ただいまー」


鍵を開けて、家に帰ると


「柚葉おかえりー」


仕事から帰ってきたお兄ちゃんが待っていた。


サラリーマンのお兄ちゃんはスーツを着ていて、とてもカッコいい。


身長180cmにスラリと長い手足。

おまけに甘いマスクと、とてもイケメンで自慢のお兄ちゃん。


「コーヒー飲む?」


「飲むー」


お兄ちゃんの淹れるコーヒーはすごく美味しい。


椅子に座って、キッチンでコーヒーを淹れるお兄ちゃんを眺める。


「ねぇお兄ちゃん。」


「なんだー?」


「流星っていう暴走族知ってる?」


「はっ?」


お兄ちゃんも学生時代、何処の族か知らないけど暴走族に入っていたらしい。


だから知っているかと思って聞いてみたんだけど……


一瞬固まったお兄ちゃん。