廊下ですれ違う人ほとんどが話し掛けて来て、それに全部対応しながら
やっとの思いで教室に着いた。
教室に行くまでが重労働。
でも、教室に入るなり
「柚おはよー!」
「やぁーん、柚ーー!」
「新藤さんおはよ!」
「彼女にしてぇー!」
またまた人が集まって来る。
……最後の男子の言葉、聞かなかったことにしよ。
玲央が聞いてたら確実に殺されてるよ。
「みんなおはよー。」
最後の言葉を無視して全員に挨拶。
もちろん笑顔で。
「柚ってさ、流星の姫なんでしょ!?」
席に着くと、私の机に女子が群がる。
情報早くない?
「うん。昨日からね。」
「いいなぁー。」
「羨ましい!」
「だってあの流星の姫だよ!?」
「あのって?」
なんだそれ。
「流星ってさ、幹部以上全員が女嫌いで有名なの!」
「そうそう!だからみんな姫になりたくても近づけないの!」
「そうなんだー」
話してても普通だったけどな。
恭介を除いて。
薫も優も女嫌いなんだ。ふぅん。