「明日倉庫に来てもらうからね。」


「わかったよ。」


「じゃあ、後はお二人で〜」


「優なんで!?僕もっと柚葉ちゃんとお話したい!」


優の言葉に駄々を捏ねる薫。


「薫はわかってないな。
こう言うのは、二人きりにさせてやらないと行けないんだよ。」


「じゃあね柚葉ちゃん。」


と、優と恭介が薫を引っ張って部屋を出て行った。


ありがたいような、ありがたくないような……


とにかく、

「ねぇ玲央。」


俺と二人きりになった途端、素に戻った柚葉は怒っている。


「………」


「私が言いたいこと、分かるよね?」


「…あぁ。」


俺の隣に鬼がいる。


「私だってバカじゃないからさ、姫になった方が良いって言うのは分かるよ?」


やっぱり柚葉は、自分がどっちを選択したら良いか分かっていた。


「………」


「別に玲央が暴走族に入っていようと、そこの総長だろうとどうでもいいよ。

だけどさ、それに私を巻き込まないでよ。」


「…ごめん。」


もっとも過ぎて、言い返さない俺。


「守ってくれるんだよね?」


「あぁ。守る。」


しっかり柚葉を見据えて言う。


「なら別にいいよ。

私は "契約" さえ守ってくれればそれでいい。
姫になるって言っても、守る範囲が広がっただけでしょ?」


「あぁ。」