「柚葉ちゃんが玲央の彼女だって噂はとっくに広まってるから、早くて明日から狙われる事になる。

もし拉致られたら最悪の場合、柚葉ちゃんは犯される。

それは何があっても避けたいから、姫になって欲しい。」


「犯される?」


眉間に皺を寄せて、低い声を出す柚葉。


「最悪の場合ね。」


「そのためにみんなが守ってくれるの?」


「そうだよ。」


チラッと俺の方を見る柚葉。


「何があっても守る。だから姫になれ」


「……本当に?」


「約束する。」


「じゃあ姫になるね。」


案外すんなりと受け入れた柚葉。


もっと抵抗するかと思ったんだが……


「やったーー!」


「柚葉ちゃんよろしくね。」


「よろしく。」


「うん。」


いや、頭の回転が早い柚葉のことだ。

自分が姫になる方が良いと理解したんだろう。


ただ柚葉からの視線が若干痛い。


絶対この後俺、怒られる。