「お前にも友達いるだろ」
「あんな上辺だけの女、友達なんて言わないわよ。
友達は柚葉1人で充分。
ヒーローも柚葉だけで充分。」
「ヒーローって何だよ。」
「柚葉は私のヒーローなの。
小さい頃からずっと、ずっと……。
すぐに私の気持ちの変化に気づいて、
私に意地悪する男から自分だって嫌いな筈なのに私を助けてくれる。
だから柚葉は渡さない!」
こいつの柚葉に対する気持ちは本物だ。
でもだかって
「柚葉を渡すわけにはいかねぇな。」
だってそうだろ?
「俺と付き合い始めてから、柚葉は確かにお前と会えなくなった。
でもお前と毎日メールと電話してたんだろ?それを欠かした日はあったか?
お前を放っておいた日はあったか?」
なに筈だ。
だって倉庫に居る時、一度は必ずメールをして居たから。
「ないわよ……」
「それなら良いじゃねぇか。
お前は柚葉と同じ学校に来たんだろ。
毎日柚葉に会えるし、喋れるんだからそれで良いじゃねぇか。」
「………」
もうそろそろ柚葉もここに来るし、さっさと終わらせたい。
「だからそろそろ俺たちにも柚葉を渡せ」
「わかったわよ!天野玲央!
あと3ヶ月後にあんた達に柚葉を渡してあげるわよ!」
「「「「はぁ?」」」」
なに言ってやがる、この女。


