「柚葉。」
たくさんの人に囲まれている柚葉は、俺たちが来た事に気付いてない。
「あ、玲央!」
「「キャーーーー!」」
女子の悲鳴を聞きて、眉間に皺を寄せる柚葉。
耳ふさぎたい。
「柚葉借りるぞ。」
「どーぞどーぞ!」
「柚後でねー。」
快く柚葉を差し出してくれた女子共。
「みんなごめんね?また明日食べよ」
「うん!明日も柚と食べるから!
天野くんの所行っておいで!」
一緒に飯を食べていた女子共とそんな事を話しているのを見計らって
「柚葉。来い」
「はーい」
柚葉に手を差し出す。
その手を握った柚葉を確認して、俺たちは同じ階にある使われていない空き教室に行く。
後ろに恭介達がいるからか、若干機嫌の悪い柚葉。
ってか、あいつらがいるから素を出せないでイライラするんだろう。
空き教室に入ると、置いてあるソファ。
柚葉は俺と隣に座る。
正面には恭介と薫と優。
「なにがしたいの?」
座るなり、そう言った柚葉。
いきなり連れてこられたらそうなるわな。


