2階にある幹部室に入っても、柚葉から腕を離さない松下真梨。
「男……男……男…男……柚葉……柚葉……柚葉!」
「どうしたの?真梨。」
男男唱えてる松下真梨。
不気味だな、おい。
「男キモい。ストレス。柚葉汚れる。」
単語で話し出す松下真梨は、俺たちを睨んでいるも若干涙目。
あぁ。こいつも男嫌いだったか、馴染んでいるからすっかり忘れてた。
「汚れないから。落ち着こ?」
「柚葉……柚葉……天野玲央やだ。嫌い。柚葉とる。
こいつら全員柚葉取る。一人やだ。」
………。柚葉に抱きついて離れない松下真梨は声を震わせている。
「大丈夫。一人じゃないよ?私が居るから。」
そんな松下真梨の背中を一定のリズムでポンポンしている柚葉。
まるで泣いている子供をあやす母親だ。
気まづい空気になる幹部室。
「もう大丈夫。」
そして復活した松下真梨は
「天野玲央!絶対認めてなんてやらないんだから!
今日は柚葉の家に泊まって柚葉と二人きりでラブラブするんだから!」
「あっ?」
「二人でお風呂に入って、一緒にゴハン食べて、柚葉の部屋で同じベッドで柚葉の胸に顔を埋めて柚葉に抱き締めてもらってラブラブして寝るんだから!」
「……てっめぇ。」
「いいでしょぉー?どうせあんたヘタレだから柚葉の裸だって見た事ないでしょぉ?柚葉の胸触った事ないでしょぉ?
柚葉のお尻に小さいホクロあるの知らないでしょぉ?
ふふっ。羨ましいでしょぉ?」
「……うぜぇ。」


