「男……バイク……男…男…男…」
倉庫に着いて、車を降りるなり松下真梨の第一声。
顔色が悪くなってきてる。いつ倒れても可笑しくないくらい。
「柚葉!こんな男だらけの所に毎日居るの!?」
「そうだよ?」
「無理しなくて良いんだよ!?体調悪くなったらどうするつもり!?倒れたらどうするの?ストレス溜まってない?大丈夫!?」
柚葉の肩を揺らしながら柚葉の心配をしている松下真梨。
自分だって顔色悪いくせに、心配するのは自分より柚葉。
買い物してる時だって、優先するのは柚葉。
こいつの柚葉愛はハンパじゃない。
そして俺の予想が間違いでなければ、こいつは多分ーーーー
「真梨……頭グラグラする」
「きゃーーーゴメンね柚葉!死なないでぇーーー」
「そろそろ倉庫に入らない?」
松下真梨が倉庫前で大声出すから、面子がドアから俺たちの事を覗いている。
「みなさんこんにちわ!」
「こんにちわ玲央さん!柚葉さん!皆さん!」
倉庫に入ると、元気に俺たちに挨拶する面子。
松下真梨の事は睨んでいる。
でも、松下真梨も劣らず面子の事を睨んでいる。
「柚葉さん、柚葉さんの腕に巻きついてる女誰ですか?
すげー睨まれてるんですけど……」
幹部候補のライが代表して聞く。
睨まれてるって言いながらお前も睨んでるけどな?
「真梨、挨拶してくれる?」
「やだ!」
「はぁ……この子は松下真梨。
私の親友だから仲良く……は出来ないと思うけど一応よろしくね?」
「……わかりました。」
柚葉の親友と聞いて、少し警戒を緩めた面子だが本人に睨まれている為いい顔はしない。


