「じゃあ教室いこー!柚葉ちゃん迎えにさ!」
嬉しそうにしている薫。
「そうだね。」
恭介と優も腰をあげる。
「………」
今ここで。柚葉を姫にしないなんて言ったら確実に疑われる。
柚葉には悪いが、姫にしないなんて言えなかった。
ちょうど今は昼休み。
だから廊下を歩けば
「「キャーーーー!」」
女子の大群に囲まれ、鼓膜が破れるんじゃないかと思う悲鳴を聞かなくてはならない。
ウザい。クサイ。キモい。消えろ。
「キモいからさっさと消えてくれる?」
「視界から消えろ。パンダ。」
眉間に皺を寄せて、暴言を吐く恭介と薫は女嫌い。
「やっほー。」
優はと言うと、笑顔を貼り付けて対応。
女子の中で王子様とか呼ばれているらしい。
決して口に出して暴言を吐かない優は、心ん中じゃ吐きまくり。
流星一番の腹黒。
やっとの思いで着いた教室で柚葉は
「「わぁお。」」
「思っていた以上に人気者なんだね。」
柚葉の机を囲んで、クラスの女子半分以上と飯を食べていた。
男子もちょくちょく柚葉の元に来たりと
中学と変わらず大人気。
それに全て笑顔で対応している柚葉。
ある意味尊敬する。
予想以上だったのか、柚葉の人気ぶりに驚いている3人。


