「真梨。やめなさい。」
「柚葉…!」
「柚葉……?」
こいつを知ってるのか?
「柚葉ーーー!会いたかった!
会いたかったから転校してきちゃった!」
そしてまるで感動の再会のように、柚葉に抱き着く転校生に
それをしっかり抱き留めた柚葉。
てか、会いたいから転校して来たって…
ウソだろ、おい。
「とりあえず、場所移動しない?」
てことで、屋上にやって来た。
のは良いけど、さっきからずっと睨まれている俺。
柚葉の腕にしっかり巻きついて、俺から柚葉を遠ざけやがる。
さずかに女には手を出せないから、仕方なく我慢する。
「えっと……それで松下さんと知り合いなの?柚葉ちゃん。」
「そこの黒メガネ!馴れ馴れしく呼ばないで!汚らわしい!」
「真梨落ち着いて?」
「うん……」
俺たち4人に敵意むき出しのクセに、柚葉には従順に従うこいつ。
「真梨はすばるの妹だし同い年だからね、小さい頃からよく遊んでたの。
言っちゃえば、私の唯一の親友」
「ふんっ。そういう事よ。理解出来たかしら男共。
だから柚葉は私のだし、私は柚葉の。
おわかり?天野玲央。」
「だからの意味がわかんねぇよ、クソ女。」
柚葉に引っ付きやがって……。
柚葉も離すどころか、俺とそいつを見て苦笑してるし。