玲央side


10月。この微妙な時期に転校生が来た。


「お前らー転校生来るぞー。」


朝のHRでダルそうに爆弾発言をした担任のすばるさん。


「松先!女か!?」

「私イケメンがいー!」


男か女かと騒ぎ出すクラスが

「ちなみに女」


「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」


さらに騒ぎ出す。


「この時期に転校生って珍しくない?」


「確かにな。なんか怪しい気がする」


前の席に座る恭介と優が後ろを向いて、喋り掛ける。


「んじゃ入って来い。」


すばるさんの声で

ガラガラ

開け放たれたドア。


入って来たのは、柚葉に劣らない位の美少女だった。


「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」

「なにあの子!ちょーかわいい!」

「ヤバくない!?」


柚葉が美人なら、転校生は可愛いが当てはまる。


「てめぇら静かにしろよ」


すばるさんの殺気に静まったクラス。


そんな中、口を開いた転校生。


「松下 真梨と言います。
"女子"の皆さん、よろしくお願いします」


綺麗にお辞儀をした転校生。


「あっ、ちなみに俺の妹だから。
てめぇらよろしくな」


「「「はっ?はぁぁぁぁ!?」」」


すばるさんの妹?全然似てねぇ……


「席はーっと、薫の隣…「あっ?」
ウソ。柚葉の廊下挟んだ隣で。」


………。席の指名に、顔に似合わず低い声を出した転校生。


柚葉の廊下挟んだ隣と言い直したら、ものすごい笑顔だった。


そしてご機嫌のまま席に着いた転校生。


すばるさんは

「んじゃ終わり。」

すぐに出て行った。


そして

「松下さん!友達になろ!」

と、そいつの席に人が集まる。


結局お前らもこいつの顔に惹かれたぢけだろ?


くだらね…と思いながら柚葉を見れば


「………」


固まっていた。