「新藤 柚葉……新藤 柚葉……」
優が顎に手を乗せて、暗号のように唱える。
「優気持ち悪っ!」
薫が引き気味に言うが、それでも唱え続ける優。
「あっ!思い出した!」
「うわっ!いきなり大声出さないでよ」
「思い出したって何を?」
いきなり大声を出した優に若干ビビる。
「新藤 柚葉ってなんか聞いたことある名前だなって思って、ずっと考えてたんだ。」
「………」
「あの子って有名なの?」
「頭脳明晰、容姿端麗、運動神経抜群
全てを揃えた完璧人間。
おまけに性格も良いときた。
そんな彼女がモテない訳がない。
顔が広く、男女共に凄い人気。
それに加え、彼氏も居るって聞いたことがある。
美男美女で凄いラブラブだとか?」
「ふっ。優、ご名答。」
まさか柚葉に関する噂を全部知っているとはな。
学校での柚葉は確かに完璧人間。
隙がなく先輩後輩先生、関係なく人気。
「そんな完璧な人間っているの…?」
「ウソだぁ……」
信じられないという顔をする恭介と薫。


