「誰に向かって口をきいてやがる。
俺のシマで好き勝手してんじゃねぇぞ」
「俺のシマ……?
も、もももしかして天野玲央!?
ご、ごめんなさい!知らなかったんだ!許してくれ!」
低く殺気を出しながら言えば、多分顔を真っ青にして謝り出すモヤシ。
「俺は虫の居所が悪りぃんだよ」
そう言ってモヤシを殴って気絶させ、そのまま放置して今度こそ倉庫に戻る。
ガラガラ
「総長おかえりなさい!」
「お疲れ様です総長!」
「あぁ。」
倉庫に入れば、夜遅いのに元気な下っ端に挨拶。
時刻は夜の10時
もう柚葉は帰ってる、か……。
倉庫を出たのは5時くらいだった筈だから結構時間が経っていた。
明日柚葉に聞けばいいよな
そう思いながら二階の幹部室の扉を開けると
「あっ玲央おかえりー!」
「おせぇぞ玲央!」
「随分遅かったけど何してたの?」
恭介と薫と優が居た。
柚葉は当たり前だけど居ない。
と、思ってたのに
「玲央……」
キッチンからマグカップを持った柚葉が出てきた。
「何故いる?」
門限はとっくに過ぎて居る筈だ。
俺はそれを聞いたんだが、なぜか悲しそうに眉を下げる柚葉。
そしてやっぱり
「きょ、恭介!」
俺から目を逸らす。


