「ねぇ玲央。」
人への警戒心が人一倍強い恭介は、俺に彼女がいることを信じられないらしい。
確かに俺は女嫌いだけどな。
「なんだ。」
「あの子は本当に玲央の彼女なの?」
「何回も言わせるな。柚葉は彼女だ」
俺が唯一愛する彼女。
「ふーん。なんで今まで黙ってたの?」
「柚葉は俺が暴走族って事も、総長って事も何も知らねぇ。
それに狙われたら困る。」
全国No. 1暴走族【流星】
俺はそこの総長をしている。
「本当に?俺たち全国No. 1だよ?
聞いたことくらいあるんじゃないの?」
柚葉 は人への関心がないに等しい。
自分に関係すること以外の情報は、基本何も知らない。
「それは柚葉に聞かねぇとわかんねぇ」
「でも、柚葉ちゃんの顔は本当に知らないって顔だったよ」
今まで黙っていた薫が口を開く。
「薫がそう言うなら……」
観察力の高い薫が言うなら…と恭介は納得する。


