玲央side
『私は天野 玲央に惚れたんです。
顔でもブランドでもない。中身に惚れた。それ以外なにがあるの?
それに、初対面なのに詮索してよくわからないけど疑って…
自分がどれだけ失礼なことしてるって分からないの?
一緒にいて気分が悪い。』
恭介の行動にキレて、半分素を出して
一息で言い切った柚葉は屋上を後にした。
俺と柚葉は中学3年間クラスが同じだった。付き合い始めたのは中2。
俺たちがラブラブだとか
美男美女でお似合い
だとか、そんな噂が沢山流れた。
柚葉に近づく男は、全て俺が消す。
俺に近づく女は、全て柚葉が消す。
別に殺すわけじゃない。
脅すだけだ。
学校で猫を被っている柚葉は、嫌な事があっても強くは断れない。
だから今みたいに、恭介が柚葉の腕を掴んだのだって俺が離す。
説得に説得を重ね、やっと学校に行く気になってくれた柚葉を
転校初日で辞めさせる訳には行かない。
「おい。」
未だに放心状態の恭介と薫と優。
「あ……うん。」
「あの子……」
「驚いた……」
ダメだこいつら。
柚葉の去っていった屋上のドアを見たまま。
「いい加減にしろ。」
少し殺気を出すといつも通りになった3人。


