「玲央!」
「…っ……」
柚葉ちゃんが玲央を背後から抱きしめると一瞬、止まった。
でも直ぐにまた殴り出して
「玲央。その人死ぬよ?」
「……こいつは柚葉を傷つけた。」
「私、何もされてないよ?」
「………」
柚葉ちゃんの為に、と何度も殴る玲央。
柚葉ちゃんでも無理か……そう思ったら
「玲央、好きだよ。」
耳まで真っ赤にして、大胆に告白する柚葉ちゃん。
その言葉に、玲央はピタッと止まる。
「柚…葉?」
「ちゃんと、恋人の好きだよ。
友達の好きじゃない。
玲央のそんな姿、見たくないよ……」
弱々しいけど、静かな倉庫に響くのには十分な大きさ。
「……すまねぇ。」
「もう殴っちゃダメだよ?」
「あぁ。恭介」
「なに?」
「後処理頼む。」
我を取り戻した玲央はそれだけ指示して、柚葉ちゃんを連れて幹部室に行ってしまった。
まったく
「んじゃ、転がってる奴ら片付けるよ」
面子に指示をして、動き出す。
「「はい!」」
さっさと片付けて、二人を祝福してあげないと。