「言ってないの?」
「柚葉と付き合い出したのは、入る前だ。」
「じゃあ顔目当て?」
こいつは何が言いたいんだろう?
初対面のくせに失礼にも程がある。
一緒にいてイライラする。
「私は天野 玲央に惚れたんです。
顔でもブランドでもない。中身に惚れた
。それ以外なにがあるの?
それに、初対面なのに詮索してよくわからないけど疑って…
自分がどれだけ失礼なことしてるって分からないの?
一緒にいて気分が悪い。」
半分、素を出したけどいいや。
イライラする。
恭介嫌い。他二人も嫌い。
男なんて消えればいい。
気持ち悪い。
屋上を出て教室に戻る。
そう言えば今授業中だっけ?
ガラガラ
「新藤、遅刻だ。」
「すいません先生。
気分が悪くて、保健室に行ってました」
すぐに切り替えて、ハゲ教師に営業スマイル。
「それなら仕方ない。無理はするなよ」
「わかりました。」
「んじゃ続けるぞ」
そう言ってハゲ教師は授業を再開。
教科は社会らしい。
授業は意外にも聞いてる人の方が多い。
ー
ーー
ーーーーー
授業が終わると、また人が集まってくる。
「柚大丈夫?」
「ってか、柚の彼氏って天野くんなんだね!」
「天野くんが笑ってるの初めて見た!」
「ちょーお似合い!」
わいわい女子トークを始める女子の皆さん。
「新藤 柚葉っているー?」
ドアの方から誰かが私を呼ぶ。
「私ですけど……」
そう言って近づくと
「柚ちゃーん!」
「うわっ!」
いきなり抱きつかれた。
顔を見ると、同中だった先輩。


