ただ浮かれて何もしないわけじゃないんだよーっだ。



「ふんっだ」



「怒んなって。今日の帰り美音の好きなケーキ奢ってやるからさ。あ、ついでに久しぶりにおばさんに会いたいから、家いっていい?」



「...奢ってくれるなら、いいけど」



私が好きなケーキのお店があるのは、私の最寄駅と学校で降りる駅の間の駅。



そのために、いつもとは違うところで降りた。



平日にここの駅で降りたのは初めてだ。



「なんで、6つも買うんだよ」



「だって、俊ちゃんが奢ってくれるなんて、滅多にないんだもん」



「だからって、6つは多いだろ。まあ、今日は丁度割引の日だったから良かったけどよ」



「ケーキ、ケーキ」と浮かれて来た道を戻っていると。



あれ、って...。



向かっている駅まであと少しのところの公園に、いるはずのない人が2人。



「あれって、桜井先輩と三浦先輩か?」