私にも、してくれたのにな。
今すぐにでも、手を退けてほしい。
そう思ったけど、何かできるわけでもなくて、ただ少し離れたところから2人を見ているだけ。
相手は祐奈ちゃんだし、桜井先輩も好きだけど祐奈ちゃんも好きだから。
でも、その少し嫌な気持ちも次のある一言で消えた。
「おい蓮!お前、3組だったよな?俺も同じクラスだ!」
そう言ったのは、桜井先輩と関わるきっかけを作ってくれた、あのサッカーボールをこちらに飛ばしてきた後藤亮太(ゴトウリョウタ)先輩。
桜井先輩、3組なんだ。
この学校は、1年から3年まで、各学年6クラスある。
そのクラスが同じ各学年の学級は、何かと関わることが多い。
例えば、1年1組と2年1組と3年1組っていうふうに。
だから、2年3組の私と3年3組の桜井先輩は、今まで以上につながりを持てる...はず。