「わあーー!」



家に帰ると、すぐに自分の部屋に向かって、ベットの上にダイブした。


ベットの上にある、可愛いクマのぬいぐるみ...ではなく、ゾウのふかふかさだけを求めたぬいぐるみに抱きつく。



「...恋愛って、難しいな」



天井を見上げて、そう呟く。



「美音、帰ってるの?」



ガチャ、とヘ部屋のドアが開いた。



「ちょっと、勝手に入ってこないでよ、お母さん!って、お姉ちゃん?!」



県外に働きに行って、この家にいるはずのないお姉ちゃんの姿がそこにはあった。



「こらこら、制服のままベットに寝転がってたら、シワになるでしょ?」



「はい、起きて起きて」と言うお姉ちゃんは、“え?何かおかしなことでも?”とでも言うように、普通に話している。



スッと起き上がると、私はお姉ちゃんに対して質問を投げかける。



「いやいや、おかしいでしょ。なんでここにいるの?もしかして、まだ25歳なのに仕事飽きたー、とか言って帰ってきたの?飽きっぽいお姉ちゃんなら、あり得る。え、ちょっと、本当に?!」