「だってさ、モテるってことは、他のたくさんの女の子から狙われてるってことじゃん？」
祐奈ちゃんはそう呟くと、切なそうな目で私の隣の遠くの方を見て。
「いつ、蓮が私のこと好きじゃなくなって、他の人のところに行っちゃうかわからないじゃん」
「・・・」
私は、何も言えなかった。
桜井先輩と付き合っている祐奈ちゃんは、ずっとそばにいてほしいと思ってる。
でも、私は、桜井先輩にこっちを向いてほしいと思ってる。
ってことは、違う言い方をすれば、桜井先輩と祐奈ちゃんが別れればいいのにって思ってるってことになる。
私は、こんなに桜井先輩を想っている人の不幸を願っているんだ。
片想いと両想い。
私は片想いの目線から見てたけど、両想いの目線から見たら、たくさんの私たち“片想い”をしている人は、好きな人をとろうとする、邪魔者なんだ。
「でも...」
祐奈ちゃんは話し始めた。
