しまった、急に聞かれたから、マヌケな声を出してしまった。
「へいって!本当におもしろいな、美音ちゃんは。いやさー、女子同士だから恋バナとかしたいな、って思ってね」
そういうことですか。
私も、恋バナ好きだけど、でもな...。
“好きな人はあなたのカレシです”
なんて、どう考えても言えないよ。
「えっと...。好きな人は...、うーん」
「いるでしょ!さっきの“へい?”って反応でわかったよ。そんな反応、好きな人いる人しかしないからね」
す、鋭い...。
でも、そこまでばれてるなら、誰かわからなければ、いいかな?
「えっと、好きな人は...います」
はっきりと、そう答えた。
「ね、ね!それってさ、俊斗くん?」
え、俊斗くん...って、俊ちゃん?!
「ま、まさか‼︎俊ちゃんは、お兄ちゃんみたいなものですよ」