すると、すれ違う女の子からいろんな声が聞こえてきた。
『ねぇ、ねぇ。あの人、ちょーかっこよくない?』
『本当だ!隣の女の子、彼女かな?』
え、彼女に見えるの?
『え、違うでしょ。妹とかじゃない?』
やっぱり、見えないよね。
少し落ち込んでしまったけど、桜井先輩にとってはどうでもいいことだろう。
っていうか、逆に私なんかと付き合ってるなんて勘違いされたら、迷惑だろうな。
こんなこと考えてることも、桜井先輩は知らないだろう。
桜井先輩のこと、すっごく好き!
なんて、いつも心の中で叫んでいることも知らないんだろうな。
「先輩、ここのカフェ入りません?」
少し小腹がすいてきたし、少し気分転換したくて、言ってみた。
「いいよ」と快くこたえてくれた桜井先輩が開けてくれたドアを先に通る。
本当、こういう自然な動きができるところもかっこいい。

