すると、顔を上げてくれたから、片岡に言った。
「片岡が謝る理由なんてないよ?助けるっていうか、片岡困ってたからさ。結果片岡は乗ったままでよかったじゃん」
「で、でも...」
絶対否定してくると思った。
「あーもー。なんでいっつも自分が悪い悪い思うの?片岡もっと自分に自信持てって」
つい、少し強い言い方になってしまったから、それを誤魔化すように片岡の髪をぐしゃっとした。
すると、片岡は顔を下げたかと思うと、もう一度こっちを向いた。
その片岡の顔は見たことがないくらい真っ赤で。
「ははは。なんでそんなに顔赤いんだよ?自信持てって言ったのに照れた?」
片岡にはこうやって言ったけど、本当は違うことを思っていた。
片岡って...俺のこと好きなのか?
違う、かもしれないけど、なぜか事実のような気がした。